社長に代わって、私達2人が布礼愛通信Juniorを続けて参ります。新参者2人です。どうぞ応援の程、よろしくお願いいたします。

                             平井久美子・清宮阿零

 

 

レバノン訪問記

  ウィーン在住のソプラノ歌手中嶋彰子さんのアレンジで、私達2人は5月に中東のレバノンという国へ、日本の着物を紹介と販売のために行って参りました。

 

  治安のよくない国ときいていたレバノン。空港に着いたのは深夜12時半近く。空港に着いたとたん、泥棒など早速犯罪にあうのではないかと身構えたが、いたって穏やかな空気にほっとする。今回の催し物の主催者がホテルをとってくれているとのこと、そのホテルより車が迎えに来ている、ということのみ聞いていた。それだけの情報だったので、まず、入国審査で足止めになる。滞在先のホテル名は迎えの運転手に聞いてくれ、と頼んでも駄目。ようやく主催者の名前と電話番号を提示することで、入国可能となった。

迎えの車は、BMWで総皮張りのシート。着いた先のホテルは、安い宿なのに、10畳以上はある広さで、床は総大理石。窓からは絶えず車のブレーキのタイヤが鳴る音と、クラクションの音が聞こえてくるが、無事到着したことに安堵し、明日に備えるべく眠りについた。

 

ホテルの窓から見た風景  阿零撮影

  翌日、彰子さんより連絡が入り、今夜20:15にMajaという人がホテルに迎えに来るとの事。しかし、20時30分を過ぎてもMajaは現れない。不安になり、ホテルの外へ出ると、私達は民族衣装を着ているせいか、目立つのか、タクシーが何台も止まるのだ。何度も同じ運転手が声をかけてくるので、Majaかと尋ねるとそうだと言う。そのタクシーに乗り、しばらくすると「どこへ行くんだ?」と聞いてきた。しまったー!!と思い、あわてて「リターン!リターン!ホテルへ戻れ!」と叫んだ。すると運転手は、レストランの前で車を止め、ここに友達がいるから1分だけ待っていて、と言う。怖くなり、続けざまにNo! リターン!を繰り返した。運転手は諦め、車はホテルへ戻った。

  今度はおとなしく、ホテルのロビーで座っていると、紳士がやってきた。本物のMajaだった。車にはドレスアップした夫人も乗っていて、その四輪駆動車で、ぐんぐんと高級住宅地の高台へと進んだ。道脇には門番として雇われているのか、はだか電球が点いた小屋みたいなところで見張りをしながら寝っころんでいる人がいる。その小路の先に主人のお屋敷があるのだろう。そんな高台へと車が上がっていき、一番高台の奥へと着いた先が高級マンションのだった。入り口にはチリ国の国旗を掲げたドアへと案内される。そこは、チリ国大使ペドロの大使公邸だったのだ!緊張が高まる中、彰子さんと2ヶ月ぶりの再会が果たせた。 なぜか黒髪の黒い瞳の日本人というだけで、とてもホッとする。この後、この国で日本人に会ったのは、コンサート会場に来ていた大使館の関係者の方一人のみだったのだから。

次々と、セレブの方々が訪れ、和やかにパーティが始まったなかで、彰子さんが私達を紹介してくれた。阿零はこのような場にいても、臆することのない子どもであった。紹介の後、青木氏(私達の護衛兼通訳)がフランス語でスピーチを始めたのにも驚かされた。

                                                                                       …つづく

大使公邸にて 左より中嶋彰子さん、平井、阿零、青木氏 一番右が主催者のララさん